政治を知るには?裁判所の役割を解説!入門編

政治
タクロウ
タクロウ

今回は前回に引き続き、「政治を知るには?」の入門編の最終回として、「司法権」について見ていくね。

ミナ
ミナ

つまり、「裁判所の役割」についてってことよね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

早速だけど、これまでの復習として、三権分立における「司法権」について、ミナが思いつくことを言ってみてほしいな。

ミナ
ミナ

えー。

 

いきなり問題なの?!

 

そうだなぁ….。

 

日本では、立法権と行政権と司法権があって、裁判所はそのうちの1つ「司法権」にあたる機関よね。

 

そして、三権分立は、権力が1つのところに偏らないように均衡を保つ目的で生まれた仕組みなのよね。

タクロウ
タクロウ

その通りだね。

 

それに補足を加えると、お互いに監視し合っているというのも、この「三権分立」のもつ機能といえるね。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

そうだった。

 

ところで、その「司法権」をもつのが裁判所だってことはわかるけど、裁判所って、それほど身近な存在には思えないのよね…。

 

それでも、やっぱり、その中身は知っておくべきなのかな…

タクロウ
タクロウ

もちろんだよ。

 

確かに裁判自体は、そうそう、かかわることが多くはないかもしれないけど、僕らの権利を守るための重要な機関だからね。

 

それじゃあ、さっそく本題に入っていくね。

司法権の独立

タクロウ
タクロウ

まず最初に話したいのは、「司法権の独立」についてだよ。

ミナ
ミナ

司法権の独立?

タクロウ
タクロウ

うん。

 

「司法権の独立」とは、裁判所が裁判のときに、国会や内閣の権力の影響を受けずに、独自の判断を行う権利を守るものなんだ。

ミナ
ミナ

なるほど。

 

確かに、立法や行政に左右されたら、正しい判断ができなくなってしまうものね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

これは公正で中立な判断をするために、必要不可欠なものだと言えるね。

ミナ
ミナ

ねぇ、ところで、裁判所って裁判を行うところだってことは知ってるけど、どんな問題でも裁判所が扱うことができるの?

タクロウ
タクロウ

いや、裁判所法の3条1項で定められていて、裁判所が取り扱うことが可能なのは、「法律上の争訟(そうしょう)だけ」なんだ。

ミナ
ミナ

そうしょう??

タクロウ
タクロウ

争訟とは、訴訟を起こして争うことだよ。

ミナ
ミナ

あのぅ…訴訟って言葉もよく聞くけど、ホントは漠然としたイメージしか湧かないな。

 

実際はどういうことを指すの?

タクロウ
タクロウ

訴訟っていうのは、当事者以外の第三者を立てて、争いごとを解決すること、もしくは、そのための手続のことだよ。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

じゃあ、争訟は、単なる争いじゃなく訴訟に至った争いってことね。

 

でも…「法律上の争訟」って言葉は、なんだか難しすぎて、まだ、よくのみ込めないんだけど。

タクロウ
タクロウ

そうだよね。

 

さらに言うと、当事者間の具体的な権利義務・法律関係のあるなしにかかわる争いであること、そして、法律を用いることで解決が見込めるもの。

 

それが「法律上の争訟」の条件だよ。

ミナ
ミナ

じゃあ、反対に「法律上の争訟と言えないもの」は何?

タクロウ
タクロウ

例を挙げると、国家試験の合否や宗教上の教義なんかは、法律を照らし合わせて問題を解決できるわけじゃないから、この「法律上の争訟」とは呼べないよ。

ミナ
ミナ

確かに。

 

「試験に落ちたのはおかしい」と本人が異議を申し立てたとしても、それを判断するのは裁判所の仕事ではないし、法律では裁けないものね。

 

それに、宗教も法律を当てはめて判断できるものじゃない。

 

つまり、法律的に問題を解決できないものは、除外されるってことね。

タクロウ
タクロウ

その通りだね。

 

「司法権の独立」は、さらに2種類の独立について指しているんだ。

 

1つは「裁判所の独立」で、もう1つは「裁判官の独立」だよ。

ミナ
ミナ

ふぅ~ん。

 

それは具体的にはどういうこと?

タクロウ
タクロウ

憲法80条1項で、「規則制定権」というものが定められているよ。

 

これは、裁判所が内部規律を自主的に定めることができる、とするものなんだ。

 

そして、下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名名簿にもとづいて、内閣が任命するよ。

ミナ
ミナ

あれ~?

 

前回やった「内閣の役割」で教わったのは、「最高裁判所長官の指名」を内閣が行って、天皇が任命するってものだったわよね。

タクロウ
タクロウ

うん。

 

よく覚えていたね。

 

ミナの言う通り、最高裁判所長官の指名は内閣が行うけど、下級裁判所では、裁判所自体が指名に関与できるんだよね。

ミナ
ミナ

下級裁判所って、名前からすると下の裁判所ってことよね。

 

そもそも、裁判所って、どんな種類があるんだっけ?

タクロウ
タクロウ

裁判所の種類は、最高裁判所の他には、「高等裁判所」「地方裁判所」「簡易裁判所」「家庭裁判所」があるよ。

 

下級裁判所とは、裁判所の中で最高裁判所を除いた裁判所のこと。

 

最高裁判所に対する用語だから、高等裁判所も下級裁判所にあたるんだ。

ミナ
ミナ

なるほど。

 

裁判所は自分たちの規則を自ら決めて、最高裁判所以外の裁判官を自分たちで指名しているってことね。

タクロウ
タクロウ

そうだよ。

 

三権分立における内閣と国会は、日本の場合は議院内閣制があるために、完全に切り離された存在とは言えないよ。

 

だけど、それとは違って裁判所は独立した立場にあるんだ。

ミナ
ミナ

う~ん。

 

議院内閣制って言葉は、確か以前にも出てきたけど…なんだっけ?

タクロウ
タクロウ

それじゃあ、改めて「議院内閣制」を確認してみるね。

議院内閣制
  1. 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、指名されること(第67条第1項)
  2. 国務大臣の過半数は、国会議員の中から選ばれなければならないこと(第68条第1項ただし書き)
  3. 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負うこと(第66条第3項)
  4. 内閣は、衆議院の信任を要すること(第69条、第70条)
ミナ
ミナ

だんだん思い出してきた…。

 

「内閣総理大臣は国会議員であること」が必要で、「国務大臣の過半数も国会議員であること」が必要だったわね。

タクロウ
タクロウ

うん。

 

そこからもわかるように、内閣と国会はある面では協力し合う立場にあるわけなんだ。

 

だけど、もし司法が、同じような協力関係にあると問題が生じてしまうよ。

ミナ
ミナ

あぁ、そっか。

 

裁判所と政治機関がつながっていたら、自分たちに都合がいいような判断が行われてしまうものね。

タクロウ
タクロウ

そうなんだ。

 

だから、そういったことを避けるために「裁判所の独立」が守られているんだよね。

ミナ
ミナ

なるほどね~。

 

で、「裁判官の独立」は、どういうものなの?

タクロウ
タクロウ

裁判官は、良心に従い独立して職権を行い、憲法と法律によってのみ拘束される」と定められているんだ。

 

そして、罷免の限定、行政機関による懲戒の禁止、報酬減額禁止、など身分保障をされているよ。

ミナ
ミナ

つまり、裁判官が従うべきものは、憲法と法律だけで、他の権力から守られているってことね。

 

でも…良心って言われても、人によって良心にはズレがあるようにも思うんだけど…。

タクロウ
タクロウ

確かに、一般的に捉えると「良心」は、人それぞれ微妙に違うとも言えるよね。

 

だけど、これはあくまで「公平で客観的な判断」を指しているよ。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

そりゃそうよね。

 

裁判官の良心が、個人的で偏ったものだったら、不利益を被る人も出てきてしまう。

 

あくまで主観にとらわれない判断が「良心」ってわけね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

そして、罷免や報酬が減らされることを恐れて、正しい判断が下せなくなるのを避けるために、身分保障があるわけなんだ。

ミナ
ミナ

それらは、すべて裁判官が公平な判断を下せるための配慮だってことね。

タクロウ
タクロウ

その通りだね。

 

立法にあたる国会行政にあたる内閣について、さらに詳しく知りたい人は、以下の「政治を知るには?国会の役割を解説!入門編」「政治を知るには?内閣の役割を解説!入門編」を、それぞれ確認してみてね。

裁判の種類

タクロウ
タクロウ

前項では、「司法権の独立」について解説したけど、ここでは具体的に、裁判所で行う「裁判の種類」について見ていくね。

ミナ
ミナ

了解。

タクロウ
タクロウ

裁判所は世の中で起きる争いごとを、憲法や法律に照らし合わせて公平な裁判を行うことで、問題を解決するための機関だよ。

 

裁判所が行う裁判には、民事裁判刑事裁判があるよ。

ミナ
ミナ

あ、それ、聞いたことある。

 

でも、その内容はハッキリとは説明できないかもぉ。

タクロウ
タクロウ

それじゃあ、以下を見てみてね。

民事裁判

日常生活で起きる個人間の法的な紛争。主に財産権に関する紛争など。具体的には、貸金の返還、交通事故の損害賠償など

タクロウ
タクロウ

民事裁判では、原告と被告の言い分を確認し、証拠を調べたうえで法律に沿って判決を言い渡すよ。

 

双方の合意によって和解が成立するケースもあるんだ。

ミナ
ミナ

民事裁判の場合は、状況によっては裁判官が判決を言い渡さずに済む場合もあるってことね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

刑事裁判

殺人、傷害、詐欺、窃盗など犯罪行為を行った疑いのある人の罪の有無や刑罰の決定を行う

タクロウ
タクロウ

刑事裁判では、検察と被告や弁護人の言い分を確認し、証拠を調べたうえで法律に沿って判決を言い渡すんだ。

ミナ
ミナ

なるほどね。

 

裁判の種類は、この2つで全部?

タクロウ
タクロウ

いや、他には、「家事審判」と「少年審判」があるよ。

 

この2つも裁判ではあるけれど、判決を言い渡すものではないんだ。

 

以下を見てみてね。

家事審判

離婚や養子縁組、相続など家庭に関わる問題を解決するもの。原則非公開で行われる

少年審判

罪を犯した少年、もしくは、その恐れのある未成年者に対して、罪の自覚と更生を目的としたもの。原則非公開で行われる

ミナ
ミナ

「家事審判」と「少年審判」は、両方とも「原則非公開」なのね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

プライバシー保護の権利が許されているため、そうなっているんだ。

裁判所の種類と三審制

タクロウ
タクロウ

日本において裁判所の種類はいろいろあって、そのトップにあるのが最高裁判所だよ。

 

公正中立な裁判をして、平等に人権を尊重する目的から、「三審制」という形をとっているよ。

ミナ
ミナ

さんしんせい?

 

まさか、このタイミングで野球の話じゃないわよね?

タクロウ
タクロウ

はは…それはないよ。

 

そうじゃなく、これは、もし、裁判所の判断に不服だったときは、上級の裁判所に申し立てることが可能で、同じ案件について3回まで裁判を受けられるという制度なんだ。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

それを聞いて安心した。

 

つまり、「一度であきらめるのは早い」ってことね。

 

で、最初はどこで裁判を行うの?

タクロウ
タクロウ

原則、第一審簡易裁判所家庭裁判所地方裁判所で裁判を行うよ。

 

各裁判所が取り扱う案件を示したので確認してみてね。

簡易裁判所規模の小さい民事裁判や刑事裁判
家庭裁判所家事審判や少年審判
地方裁判所民事裁判や刑事裁判
ミナ
ミナ

えっと…家事審判っていうのは家庭に関わる問題だったわよね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

第一審の判決に不納得な場合、第二審は原則、高等裁判所で行うんだ。

 

第二審でも判決に納得できず、不服申し立てした場合に第三審は原則、最高裁判所で行うってわけだね。

ミナ
ミナ

なるほど。

 

いきなり最高裁判所で裁判を受けることはできなくて、段階を踏んでいくわけね。

タクロウ
タクロウ

うん。

 

最高裁判所が下した判決はくつがえすことはできないよ。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

それだけ、最高裁判所の判決は重いのね。

 

ところで、裁判と言えば、裁判官がいて、弁護士がいて、検察官がいるでしょ。

 

検察官って一体どんな立場の人なのかな?

タクロウ
タクロウ

それじゃあ、次の項目では「検察」というものを見ていくね。

検察庁の立場

タクロウ
タクロウ

検察官は法務省管轄の検察庁に属していて、行政機関のメンバーなんだ。

ミナ
ミナ

へぇ~、知らなかった。

 

つまり、行政と言えば内閣よね。

 

内閣には、財務省とか環境省とか、いろんな省があって、その1つが法務省だったわよね。

 

その法務省の中に検察庁があるってことね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

組織として見ると、検察庁は確かに、法務省の下にあるかに見えるけど、実際は特別の機関として存在しているんだ。

 

ちなみに法務省は事務業務が主な仕事で、それに対し検察庁国家社会の治安維持を任されている機関なんだ。

ミナ
ミナ

なるほどね~。

 

その具体的な仕事が裁判に関わるものだってことね。

タクロウ
タクロウ

うん。

 

刑事事件では捜査や起訴・不起訴の処分を行って、裁判所に対して、正しく法が用いられるよう見張り、裁判が行われるよう指揮監督するなどの権限を持っていて、捜査そのものと捜査の指揮監督を担っているんだ。

ミナ
ミナ

つまり…行政機関のメンバーでありながら、裁判に参加して、刑事事件に関わる仕事を行っているのが、検察庁なのね。

 

ようやくイメージできた。

タクロウ
タクロウ

それは良かった。

 

特定事件に対して法務大臣が直接、検察官を指揮することはできないんだ。

 

このことからも、検察庁の独立性が垣間見れるよ。

ミナ
ミナ

そうなんだ~。

 

じゃあ、検察官を指揮するのは誰?

タクロウ
タクロウ

それは検事総長で、検察庁法で制限が設けられているよ。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

検察庁は行政機関に属しているから「立法・行政・司法」の分類で言えば、当然、「行政」に当たるわけでしょ。

 

それなのに、どこか「司法」のにおいもする独特な機関なのね。

タクロウ
タクロウ

鋭いね。

 

正にミナの言うように、まるで司法権を有するかの特殊な立場にあるのが、検察庁だと言えるんだよね。

司法に求められること

タクロウ
タクロウ

最後に、ここでは現状を踏まえて、今後、「司法に求められること」を考えていきたいと思うよ。

 

まずは、日本の裁判官の人数が、どの程度なのかを判断してもらうために、 以下のデータ「裁判官1人あたりの国民数の推移」を見てもらいたいよ。

日本弁護士連合会 2019年度版 弁護士白書のデータを基に筆者がグラフを作成
ミナ
ミナ

これは…明らかに他国に比べ日本の場合は、「1人の裁判官が、いかに多くの国民に対応しなければならないか」という現状が見えるわね。

タクロウ
タクロウ

そうなんだ。

 

人口に対して裁判官の人数が少なすぎる、と言えるね。

ミナ
ミナ

こういう状況では、裁判をこなすことに追われて、慎重な判断ができなくなってしまう可能性もあるわよね。

タクロウ
タクロウ

正しく、そういったことが懸念されるよ。

 

他にも、「違憲審査」の問題があるよ。

ミナ
ミナ

いけんしんさって何?

タクロウ
タクロウ

法律や処分などが憲法に違反している場合に「違憲」と判断を下すことだよ。

 

憲法の81条では、最高裁判所を「一切の法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所」と位置づけているんだ。

ミナ
ミナ

つまり、最高裁判所は下級裁判所から上がってきた案件を取り扱うだけじゃなく、法律などが憲法にそぐわない場合に意見できる立場だってことよね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

だけど、問題は日本が「付随審査制」を採用していることなんだ。

 

この「付随審査制」というのは、実際に具合的な事件がなければ憲法判断や司法審査権を使うことができない、というものだよ。

ミナ
ミナ

えー。

 

それじゃあ、問題が起きて、裁判になって初めて、「この法律は憲法に合っていない」と意見することができるってわけなのね。

タクロウ
タクロウ

うん。

 

それに対して、ドイツなどは「抽象審査制」を採用しているから、具体的な事件がない場合も、法律を判断することができるんだよね。

ミナ
ミナ

そうなんだ~。

 

それを聞くと、なんだか、そっちの方が良さそうね。

タクロウ
タクロウ

確かに、ドイツの連邦憲法裁判所では2013年までに476件、法律・命令に対して違憲の判断を下しているよ。

ミナ
ミナ

それじゃあ、日本の場合はどのくらいの数が挙がっているの?

タクロウ
タクロウ

日本では、現時点で法令違憲判決が出たのは10件だけなんだ。

ミナ
ミナ

へぇ~。

 

すごい差があるのね~。

 

法律が間違っていても、何か事件が起きて裁判にならなければ、それを変えることができないのは、かなり問題よね…。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

そもそも、日本では憲法は直接、国民に対して権利義務を与えるものではないという考え方が根強くて、法律の方に重きを置くきらいがあるんだ。

 

だから、憲法で規定されている抽象的な内容より、具体的な法律を優先して判断してしまうケースも多いよ。

ミナ
ミナ

まぁ…確かに、漠然とした「憲法」より、細かく具体的に定められている法律に従う方が簡単ではあるかも。

 

でも、それだと法律の間違いは正せない…。

 

じゃあ、最高裁判所とは別個に、違憲審査を専門に行う機関を作るっていうのはどうなのかな?

タクロウ
タクロウ

憲法裁判所を設ける方法だよね。

 

ただし、ドイツの連邦憲法裁判所が扱う訴訟の中で、この「抽象的規範統制」は、実際、年間数件だけというのも現実なんだ。

 

要するに、わざわざ憲法裁判所を設けたとしても、それほど活用されない可能性もあるんだよね。

ミナ
ミナ

そっか~。

 

他には何かいい方法はないの?

タクロウ
タクロウ

他にはカナダで行われている参照意見制度を用いる方法だね。

 

これは内閣が違憲審査を最高裁に求めることができる制度なんだ。

 

ただし、これを取り入れるためには、最高裁の組織自体を大幅に変更する必要があるけどね。

ミナ
ミナ

なるほどね~。

 

違憲審査を高める方法は、決して容易い道のりではないわけね…。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

その他にもいろいろと問題があって、その1つが「国民審査」だよ。

ミナ
ミナ

あ、なんか聞き覚えがある…。

 

確か、この「政治を知るには?」のうちの一番最初にやった「三権分立」の中で出てきたやつよね。

 

ボンヤリは覚えている。

タクロウ
タクロウ

それじゃあ、ハッキリと思い出してもらうために、改めて図を見てもらうね。

ミナ
ミナ

国民が最高裁判所に対して「国民審査」を行うのよね。

タクロウ
タクロウ

うん。

詳しく言うと、国民審査とは、「最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしいかを国民が審査する解職の制度」なんだ。

ミナ
ミナ

かいしょく?

 

楽しい会食じゃないわよね?

タクロウ
タクロウ

…解職は職をやめさせることだね。

 

衆議院選の投票時に受け取る投票用紙に、ふさわしくないと思った裁判官に×をつけるというものだよ。

 

この×の数が過半数を超えると、裁判官は罷免されるんだ。

ミナ
ミナ

それじゃあ、いいと思った人には○や◎をつければいいの?

タクロウ
タクロウ

それはダメだよ。

 

余計なことを書くと、その投票自体が無効になってしまうよ。

 

何も書かなくて初めて、「信任」と判断されるんだ。

ミナ
ミナ

へぇ~。

 

それって、なんだか「さりげなくOKをもらっちゃう」イメージかも。

 

だって、「絶対ダメ」と言われない限りは、自動的に「OK」になっちゃうわけだもの。

タクロウ
タクロウ

…まぁね。

 

ちなみに最高裁判所裁判官は、任命後、初めて行われる衆議院議員総選挙の時に国民審査を受けて、10年後に再審査を受けることが憲法で定めれているよ。

 

ただし、最高裁判所裁判官の定年は70歳で、任命される人は、ほぼ60歳以上だから、再審査を2回受けた人はいないんだよね。

ミナ
ミナ

えー。

 

それは、なんとも…。

 

つまり、一度、最高裁判所裁判官になっちゃうと、滅多なことでは辞めさせられないってことよね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

それに、罷免の判断を行うにも、国民には情報が少なすぎて判断が難しいというのも問題だね。

 

とは言え、その気になれば裁判所のホームページを覗けば、その裁判官が扱った裁判の内容を確認することができるよ。

ミナ
ミナ

そうなんだ~。

 

それは知らなかった。

 

自分から積極的に探しに行けば、ちゃんと情報は得られるのね。

タクロウ
タクロウ

う~ん。

 

それで、判断材料が十分かは、さておき…「ある程度の情報は確認できる」とだけ伝えておくね。

ミナ
ミナ

ところで、この「社会のえほん」の「政治を知るには?」では、「国会」「内閣」と見てきて、今回は「司法」にあたる裁判所を見てきたでしょ。

 

司法の役割って、結局のところ何だと言えるのかな?

タクロウ
タクロウ

国会の閣議でも見られるように、「物事は、最終的には多数決で決められてしまう」という傾向があるよ。

 

それに対し、一番、重要な司法の役割とは、最後の砦として、そこから、こぼれ落ちてしまった「少数派の権利や人権を守ること」だと言えるよ。

ミナ
ミナ

なるほど~。

 

確かに、物事を決める場合は、どうしても多数派の意見が勝ってしまうのよね。

 

だけど、司法が存在することで、例え少ない意見であっても、そこに目が向けられるチャンスが生まれるってことよね。

タクロウ
タクロウ

そうだね。

 

だからこそ、今後の司法には、「憲法で描かれている理念を現実に落とし込む立場」としての力を、さらに発揮してほしいと期待するよ。

ミナ
ミナ

そうよね。

 

私たち一人ひとりの思いを、最終的に力強く受け止めてくれる機関であってほしいわね。

社会のえほん 鈴掛 聖

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